靴底の加水分解発生
トレッキングシューズに限らず靴底素材に多く使われいるウレタン材。
ウレタン材の特性は軽い・自由に成型できる・大量生産向き・安価 など
大量生産・大量消費時代を支えたいい材料です。
しかし、以前のウレタン材は経年劣化の加水分解がおこりバラバラになる欠点がありましたが、大量生産・大量消費時代には靴は”使い捨て”という考えで、靴が履けなくなる前に
廃棄していたのであまり影響がなかったのですが、自由に成型できる利点で高級品にも
使用され、”使い捨て”感覚が変わってきました。
常に履く靴は加水分解する前に寿命が来るのですが、”趣味の靴””冠婚葬祭靴”などの
めったに履かずに置き靴が加水分解の憂き目あうことがおおいです。
冬靴・夏靴などの季節靴も危険です。
加水分解とは空気中の水分を徐々に吸ってバラバラになることなので、置き靴を
使ったまま下駄箱や靴箱に保管すると、風通しが悪くなり加水分解します。
最近の材料の進化で加水分解しない材料もできてきたのですが、明確な相違点が
分からないので加水分解する・しないは判別できません。
対応策は"とにかく履く・使う”しかありません。
時限爆弾のようです。
ただ、加水分解する期間は ”買った時から” ではなく、”作った時”からなので
セール品などは使用できる期間は短いと思っていてください。
靴底すべてがウレタン材ばかりではなのであまり心配しなくてもいいかもとは
思いますが、見るだけでは判別できないので”とにかく履く・使う”ことです。
また、もし加水分解しても当工房での修理も可能ですのでご心配なく
この方のトレッキングシューズも箱から出した時でよかったです。
もし、山中でなっていたら と 思うとゾッとします。
たまに道端にバラバラになった靴底を発見しますが、家に帰れたのだろうか
心配します。
トレッキングシューズ持ち込まれたときはこんな感じ。
ネチャネチャのバラバラです。
山中でなってると本当にゾッとします。
このバラバラになったウレタン材部分を加水分解しないゴムスポンジEVA材で作りました。
そしてイタリア製のビブラムソールのタンク柄靴底を付けています。
生き返りました。まだまだ使えます。
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